ラブラドールのような“たれ耳”の犬は耳腔が密閉状態になるので、耳の病気、かゆみを引き起こす真菌(カビ)の一種マラセチアが増殖しやすいので、時折耳を持ち上げて耳の穴をチェックして下さい。
写真左は正常な状態。右はマラセチアが増殖しているために赤くなった状態
マラセチアが増殖していると耳の内側が赤くなり、耳の内側をウェットティッシュをかぶせた指を差し入れて軽く拭くと濃い茶色の物質が付着します。また耳を持ち上げて匂いを嗅ぐと少量の砂糖水に鰹節を入れて煮たような甘い匂いがするのも特徴です。
写真は動物病院で処方された「外用抗真菌剤 ニトラゼン ローション2%」(岩城製薬株式会社)。キャップを開けて、先端部の突起物を押さないとクスリがでないの使い勝手は悪い。耳腔内の内壁に突起部分を押し付けてを投薬します。注意点としては、耳の内壁に対して垂直に突起物を押し付けることができれば問題はないのですが、垂直以外の角度で押し付けると突起物の角が耳の内壁を傷つけかねません。製薬会社さまにおかれては、突起部分のエッジにもっと丸みをつけて頂きたい。
一般に、ワンコは耳への投薬を嫌がるので、しっかりと犬を押さえつけて投薬して下さい。
私は耳の中に差し入れたボトルの先端に、ボトルを持っていない方の手の親指を入れ、親指の爪でボトルの先端を押すようにしています。
以前使っていたクスリは逆さにしてボトルのボディを押せば投薬できて便利だったのだが、生産中止になったらしい。
無知とは恐ろしいもので、メイプルが連日嘔吐する原因を見誤り正反対の処置をしてしまった。
症状は夜中の2時ごろになると毎晩吐くというもの。時折夕食前の夕方にも嘔吐。
最初に誤飲を疑ったけれどその形跡はないし、仮に誤飲ならば食事の直後に吐くはず。さらにお通じも順調だったことも誤飲説の否定材料だった。
次に疑ったのは風邪などによる体調不良。吐き始めた日の日中、用足しをする間、クーラーを強めにかけた車内で2時間ほど過ごさせていたため、クーラー病にでもしてしまったのかと思った。
その他の可能性として考えたのが食生活の変化による胃腸の荒れ。今までのドッグフード生活からサフランと同じ手作り食に移行させようと、嘔吐の4日前から夕食のみ手作り食を与えていたのでその可能性を留意した。
胃腸の荒れにせよ体調不良にせよ、嘔吐したのだから胃腸の負担を軽減することが必要だろうと食事を減らすとともに、ドッグフードはフードプロセッサで粉にしてお湯で離乳食状にして与えるようにした。
嘔吐開始時期は獣医さんがお盆休みだったためとりあえずその食事で様子を見たのだが、二日間嘔吐がとまったと思ったら再び嘔吐をしたのであわてて動物病院を訪ねた。
ご診断は“胃酸過多”。食事の嵩を増やすようにとのアドバイス。対策のひとつとしてはドッグフードが子犬用ならば成犬用にする(カロリーの高い子犬用よりも成犬用ドッグフードのほうが同じカロリーの食事でより多く食べることができるから)といった具体的な対策もご教示いただいた。
胃酸を押さえる注射を打っていただくと共に一日二回投薬するプロミナド錠※5mgとテイガスト内服液10%(※2)を処方された。
つまり、胃の中により長い時間食べ物が留まる工夫をしなければいけなかったのに、消化が良いようにドッグフードを離乳食状にして量まで減らすという全く逆の対策を採っていたのだった。
今にして思えば嘔吐といっても空腹のはずの時間帯ばかり。吐く物が無くて胃液と思われる黄色っぽい液体を吐いていたから胃酸過多といわれれば正に納得。
通院後、ドッグフードは砕かずに、ただ少し量を減らして鶏肉や豆腐を混ぜるという食事にして二日が経過したが、嘔吐はしていない。
生兵法は怪我の元とはこのことだと自戒した次第。
※プロミナド錠
プロミナド錠メーカーのプレスリリースによると、この薬には消化管運動機能改善作用を有する化合物、モサプリドクエン酸塩を成分とし、次の特徴があるとのことだった。
・消化管内に存在するある種の受容体を刺激することで消化管運動を促進。
・上部消化管運動機能低下に伴う食欲不振および嘔吐の改善。
※2:テイガスト内服液10%
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトによると次の症状の改善に役立つとのこと。
○胃潰瘍、十二指腸潰瘍
○下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
なお、2014年3月からはスクラルファート内用液10%の名称で販売されている。
佐久インターウェーブ・ドッグランでラナちゃん(右)と追い駆けっこをするメイプル。嘔吐の続いている時の一こま。元気がなくなるということはなかったけれど激しく運動させたくなかったので短く切り上げた。
まもなく三歳になるサフラン。昨年までダニ被害はなかったが今年になって上瞼にダニがついているのを初めて発見し、獣医さんにダニ・ノミ駆逐薬フロントライン プラスを処方していただいた。
処方後そのままにして投薬をしていなかったら今度はメイプルの下瞼にダニが付いていた。あわててフロントラインの説明を書を読んで投薬。
翌日、見事にダニは死んでおり、指でこすったらころりと落ちた。
フロントライン プラス。見事な効果だった。
正式名称は「動物用医薬品 犬用ノミ駆逐・寄生予防/マダニ・シラミ・ハジラミ駆除剤 フロントライン プラス ドッグ」。パッケージに記載された効能・効果は「犬:ノミ、マダニ、シラミ及びハジラミの駆除。ノミ卵の孵化阻害及びノミ幼虫の変態阻害によるノミ寄生予防」
一回の投与でダニは1ヶ月、ノミは3ヶ月間効果が持続する。
投薬は、写真左側にある緑のアンプルの先端を指で折り、肩甲骨の間の毛を掻き分けて地肌に直接滴下する。とても簡単。一番注意する点はアンプルの先端を折る際に内容物がわずかに飛散するので眼に入らないようにすること。多頭飼いの場合、治療されていない方のワンコが「何してんの」と寄ってくることが予想されるので注意。
これからの季節、散歩の後にダニが付いていないかの確認が重要だ。耳の内側、目の周り、下腹部などが重点チェックポイントである。下腹部からダニを見つけたことは無いのだが、時折赤くなっていることがあるので、何らかの虫に刺されることがあるようだ。
散歩の後にはウェットティッシュでワンコ達の全身を拭いているが、その際に異常が無いかを確認している。目の周りや耳の内側の異常(ダニもそうだが外耳炎なども)は比較的気が付き易いが下腹部は見落とがちなのでサフランの頭を私の両膝の間におき、しっかりと仰向けにして確認するようにしている。
写真はサフランの上瞼についてダニ。うっかりすると見落としそうなほど小さい。見落とすと血を吸って見落としようが無いほどに膨らむらしいが、膨らんだ姿を見たことはない。
一匹見つけたら他にもいるかもしれないので、全身細心の注意を払って観察するべきだろう。このときも、上瞼のような安住の地をまだ見つけられずに首の辺りの毛の上をウロウロと歩いていたダニをサフランから1匹、メイプルの背中から1匹発見した。イエローラブラドールのメイプルの場合はダニの茶色い体色が保護色となり発見が難しかった。
ちょっと草深い空き地で遊ばしたことが原因と思われる。まもなく3歳になるサフランだがダニが付いているのを見たのは二回目なので、一度の3匹のダニを見てちょっとびっくりした。近所のラブ・オーナーも数年ぶりにダニがついているのを見たというから、今年の軽井沢では例年よりもダニが多く発生しているのかもしれない。
写真はサフランの左上瞼で見つけたダニ。ピンセットでなるべく肌に近い、つまり頭近くを強く挟んで取る。体だけをはさんで引っ張ると頭が取れずに残ってしまうから注意が必要と獣医師から注意を受けた。自身の無い方は動物病院で取ってもらった方が良いかもしれない。
上瞼のダニをピンセットで取る場合の注意点。
写真のピンセットの先端は比較的鋭利なタイプ。今回の目的で使用するならば、もっと先端が丸みを帯びているものが望ましいと思う(私はダイアモンドの裸石をピンセットでつまむのが仕事だった時期があるので使い慣れたピンセットを利用した。またサフランはおとなしいので問題ないと判断)。
昨日は大失態をやらかした。早く気がついたから最悪の事態は免れたものの、危うくメイプルを失うところだった。メイプルが靴下を飲み込んでしまったのだ。
おもちゃとして一回結び目をつくって与えていた私のお古の靴下。いつもだったらサフランと引っ張りっこをして遊び、良い運動になる。飽きたころに取り上げるのだが、今日は与えたままで外出してしまった。
およそ1時間後に帰宅。家内はいつものようにキッチンから「お帰り」の一言のみだが、わんこ二匹は尻尾をぶんぶん振って出迎えてくれた。ひとしきり二匹と遊んで居間に入るとようやく出迎えに現れた妻がキョロキョロした後に何やら探し物を始めた。そして「靴下が無い」と叫んだ。私が帰宅する直前までは噛んで遊んでいたと妻が述べる靴下が見つからないというのだ。
二人でメイプルの行動範囲を探すが靴下は見つからない。広くもない室内のこと、10分後に出した結論は誤飲。時刻は午後5時だった。
信頼する北軽井沢動物病院に開腹手術を依頼するつもりで電話をかけると、胃に留まっている異物ならば吐き出させる処置があるという。妻がハンドルを握り家族総出(人間3人と犬2匹)で出発。普段ノロノロ運転で時として私をいらだたせる妻だがこの時ばかりは早かった。北軽井沢へと上るワインディングロードでは荷物スペースの二匹が横倒しに転んでいた。
病院では、私は怖くて診察室に入れず妻にメイプルの付き添いを頼み、息子と私はサフランを連れて近所を散歩。
約20分後に私の携帯に妻からの呼び出し音。結果、見事靴下を吐き出したという。
心底ほっとした。飲み込んだ異物が腸まで達していたら難しい事になっていたとのこと。誤飲後90分で処置できたのが良かった。
治療は、口を閉じないようマウスピースをはめた後に細めのホースを胃まで通して吐き出しのための薬液を長さが30cmは有ろうかという注射器につないで胃に直接流し込んだという。
しかし心配の種は尽きない。駐車場では血で真っ赤になった液体を10分間で5回ほど吐いたので再び病院に相談。出血と吐き気止めの注射を打ってもらった。胃の粘膜が傷ついているので出血の原因。
帰りの車中でも幾度か吐いたが、帰宅後は注射が利いたのか二度吐いたのみ。
脱水が心配なので常備しているOS-1(オーエスワン)という経口保水液をお湯で薄めて与えた。
この日のメイプルは夕食抜き。サフランの食事姿を見て瞬時騒いだが、少したったら気持ちを切り替えて寝てしまった。ただ時折寝苦しそうに寝場所を変えるためにウロウロしたり、キュンキュンと足元に来て鳴いてみたりといかにもつらそうだ。
三日前に犬と同じ部屋で寝る我が家でいうところの “ 夜勤 ” を廃止したのだが、この日は妻が再び夜勤に就きソファでメイプルに腕枕。
今朝。心配しつつ寝室のある二階から降りていくとバンッバンッバンッバンッといつもの音。元気一杯に高速で振るメイプルの尻尾が壁に当たる音だ。その後ろでは控えめに尻尾を振るサフラン。
朝食は念のため子犬用の缶入りミルク、エスビラック リキッド(Esbilac Liquid)を軽く温めて半分(100ml強)与えるに留めた。このミルク、100mlあたりの代謝エネルギーは840kcalなので、缶に半分でもドッグフードを200g与えるよりもエネルギーが高い。
給餌の後、少し様子を見て吐かないことを確認してから処方された粘膜保護の薬、テイガスト内服薬10mlを与えた。
いつもに比べると元気が無いメイプルだが、それでもクタッとして動かないということはなく、もう大丈夫だろう。
何とか危機は乗り越えたが、猛省することしきりの誤飲事件だった。
肛門腺(こうもんせん)は定期的に絞らないと犬の健康に良くないと誤って理解していたけれど、信頼する北軽井沢動物病院の土屋院長に本日大いに勉強になる話を伺ったので備忘録として記す。以下の記述にもし誤りがある場合には、聞き手である私の誤まった理解が原因なのであしからず。
この質問をしたきっかけは、ソファに“くさやの干物”のような匂いを放つ液体が付着していたこと。おそらくメイプルの肛門腺からの分泌液が付着したことが原因と思われたので質問した次第。
ラブラドール・レトリーバーには、小型犬と比較すると股関節形成不全の確率が相対的に高くあります。
この病気は遺伝性ですから、良心的なブリーダーの手で作られた犬の場合には股関節形成不全の確率は低いという事ができます。
サフランも念のため、出産前に股関節形成不全をレントゲンにより検査しました。結果は異常なし!股関節形成不全の母犬からは同じ病気を持つ子どもが生まれる可能性が高いですから、もしこの疾患があるならば子どもを生む訳にはいきません。
足も伸ばして身体を一直線にしてノビノビ~と寝れる子はこの病気の確率が低い(異常があると痛くて足を伸ばせないから)とのこと。サフランは良くノビノビ~と寝ているので大丈夫とは思っていましたが、ひと安心でした。
先日フィラリアの薬をもらいに行った動物病院で聞いた獣医さんの話で目から鱗が落ちる思いがしたので記します。
それは犬を風呂に入れる際、耳に水が入るのを気にする必要が無いという話。むしろ、なるべく水が入らないように気を遣ったものの、シャンプーや耳周辺を洗った汚れた少量の水が耳に入ってそのままにする方が良くない。これらが外耳炎の原因になる事が多いという。汚れた水が入ってしまったら、そのままにするよりは耳に水を入れて汚れを落とし、清潔に保つ方が良いそうです。